黄昏は心の中に

僕は音楽を聴くのが好きだ。

音楽を聴いて、その曲が表現する架空の世界に埋没してしまえば、実際の世界に触れずに済むからである。

怒りや憎しみを表現している、頭に強い衝撃を感じるような激しい音楽も好きだし、ファンタジーの世界に迷いこんだかのように感じる、非現実的でメルヘンティックな音楽も好きだ。

退廃的な曲、猟奇的な曲、耽美的な曲、暴力的な曲が好きだ。

新世紀エヴァンゲリオンの主人公である碇シンジのセリフにはこうある。

「耳を塞げば心も塞がるんだ。イヤな世界を見なくて済むからね。」

僕は音楽が好きだ。

そして同時に、この世界は僕にとって、たまらなく「イヤ」なものなのだ。