孤独は水底に沈殿し、静かに精神を腐蝕する

僕には、友達がいない。 

 何をもって友達と定義するのかは人それぞれだが、僕にとっての友達とは、簡潔に言えば、お互いに苦楽を共にし、腹を割って話ができる人のことを指す。

 日常会話ができる人はいるのだが、お互いに一歩距離を置いていたり、どこかよそよそしい話し方になってしまうことが多い。

 元々僕は内気な性格で、大人数の人たちとワイワイ過ごすよりも、独りでいる方が気楽さを感じる人間だった。 

 しかし、今までの人生で、一人も友達がいなかったというわけではない。 

 小学生の頃には、数は少なかったが、遊び友達と呼べる人はいた。

 しかし、僕は中学校に進学するときに、別の地に引っ越しをしてしまったため、彼らとは疎遠になってしまった。 

 中学校では、生来の内気さと、その時期特有の心の不安定さによって、友達をつくることは出来なかった。 

 それ以来、僕には友達と呼べる存在がおらず、また、そのつくり方も分からない(忘れてしまった)のである。 

 そんな日々でも、問題なく過ごせるのならば、まだ良いのだが、僕は弱い人間である。

 ふとした時、例えば、大学のクラスメイトが授業後の遊びや飲み会の予定を立てて盛り上がっている時などに、言いようのない淋しさ、孤独感を感じるのである。 孤独は辛いものである。 

自分が困っている時、悩んでいる時に誰も助けてはくれないのだ。

 友達をつくり、孤独を克服しようと、積極的に人と関わろうとしたこともある。

 しかし、僕のコミュニケーション能力の不足からか、親しい関係を築けた人はおらず、もしくは上記のような関係に留まっているのみである。 

 果たして、これから僕に真に友達と呼べる存在が できるのだろうか。

 僕は今日も、孤独に苛まれる。