融和する悪意、中和される真実
やはり俺は、悲しみに対しては、ただ真っ直ぐ見据えて立ち向かってゆくという、いたって正当なアプローチを取っていくしかないという結論に至った。
これまで色々と悲しみに対して取り組む者を見てきた。
中には、酒や薬、ギャンブルや風俗で悲しみから目を背ける者もいた。
俺は出来るなら、彼らが斥けた悲しみも背負いたいと思った。
自分の弱さをごまかして、強がることしか出来ない、不器用な彼らを愛おしく思った。
悲しみは、ロックであり、セクシーである。
そして、悲しみの先には、真実がある。
俺はそう、確信している。