音楽13『佑理菜』

曲を作りました。

おけらくんとタッグを組んだ2作目です。

前作『心の翼』は、おけらくんが作曲、俺が作詞という役割分担でしたが、今回は、俺が作詞・作曲したものを、おけらくんにアレンジ・ミックスしてもらいました。(ギターもおけらくんが弾いてくれました)

 

この曲の功績の8割くらいは、おけらくんにあると思っています。

俺が「スカっぽいパンクにしよう!」と言って、メロディしかない原曲を送り付けたら、発注通りのアレンジにしてくれました。

ハモリのメロディもおけらくんが作ってくれました。

俺の過去の曲を聴いてもらえると分かるのですが、俺はほとんどハモリを入れません。

面倒くさいから(笑)(90年代のインディーズV系ってそういうもんでしょ、と思ってる部分もある)

ハモリのあるなしでは、だいぶ曲の印象が変わると思います。

 

メロディは俺の曲の中でも最もシンプルだと思います。

構成もAメロ→サビ→A→サビ→A→サビ・・・という単純さ。

おけらくんが飽きさせないアレンジにしてくれましたね。

 

曲がシンプルな分、歌詞に比重を置きました。

ストーリー的な要素を持たせています。

 

『心の翼』(おけらくん作曲)と『佑理菜』(五十嵐作曲)を聴き比べてみてください!

 

soundcloud.com

 

歌詞

 

親指の爪を齧る癖 大人になっても治らない

君の横顔をいつまでも見ていたい

授業の合間はいつの日も傘の先で突っつかれていた

君の温もりをいつまでも感じてた

 

ねぇ 佑理菜 僕だけ見てよ

ねぇ 佑理菜 愛を教えて

ねぇ 佑理菜 幸せは何処?

ねぇ 佑理菜 佑理菜...

 

 

隣の団地に住んでいた読み書きのできない障害者

心の中ではいつまでも笑いたい

神様気取りの占い師 現実は何も変わらない

図書室の隅でいつまでも過ごしてた

 

ねぇ 佑理菜 何も見えない

ねぇ 佑理菜 慰めをせめて

ねぇ 佑理菜 裏切りのメロディ

ねぇ 佑理菜 佑理菜...

 

 

二重人格は叫んでた 不思議と心は冷めていた

忍び寄る闇の足音に気付いてた

一人残らず殴りつけた 掌が赤く染まってた

抱きしめたくても届かない もう居ない

 

ねぇ 佑理菜 僕だけ見てよ

ねぇ 佑理菜 愛を教えて

ねぇ 佑理菜 幸せは何処?

ねぇ 佑理菜 佑理菜...

 

ねぇ 佑理菜 何も見えない

ねぇ 佑理菜 慰めをせめて

ねぇ 佑理菜 裏切りのメロディ

ねぇ 佑理菜 佑理菜...

 

 

take-nari.hatenablog.com

 

【ハロプロ鬱曲】ライブ会場がお通夜になってしまう、アンジュルム『全然起き上がれないSUNDAY』

youtu.be

 

作詞・作曲:つんく

もうイントロの時点で、「あっ、これ鬱曲だ」と思いました。

女の情念ドロドロ系の曲で、つんくの得意ジャンルの一つですが、アンジュルムにはこれ系の曲がなかったと思います。(前身グループのスマイレージには意外とある)

個人的に現代でこういう感じの歌詞でつんく以上にうまく書ける人を見た事がないです。(西野カナとか、結構良いと思ってたんですけど、活動休止しちゃいましたね・・・)

 

この曲、バックトラックが格好よすぎます。「トラップビート」ってやつですよね。

ダークでクールな感じがグッドです。

イントロのフレーズが曲全体で無限に繰り返される感じが、「終わらない悪夢」感があって、鬱度を上げている感じがします。

「チャラ男に遊ばれて、捨てられた悲しい女」って感じの歌詞です。

はっきり言って、今の時代、こういう暗い曲は売れないですね・・・。(俺は大好きです)

それでも、作ってしまうつんくの美学みたいなものを感じてしまいます。

昔はアイドルでも売れたんですけどね、こういう曲。(中森明菜の『難破船』とか)

つんくはこの時代を通っているので、こういう曲でも勝負できると思っているのかもしれないですね。

 

演歌の系譜を感じさせる良い歌詞です。

「マジこのまま許さない 何も許さない」というサビが好きです。

マジでブチギレてる感じが良いですね。

「一瞬たりとも未来像 描いたバカ子ちゃん」もいいですね。口に出したくなる。

つんく以外にこの歌詞出てくる人いるのかな。

こういうネタなのかマジなのか微妙なセンス、取り入れたいです。

 

MVも耽美的で綺麗・・・、ガラスに囲まれた薔薇とか、何の意味があるのか分からないけど、なんか意味がありそうな雰囲気が好きです。

ダンスが座ったり寝たり立ったり、結構大変そうな感じしますね。

MVのラストは全員死んだみたいに寝てるシーンで終わります。意味深すぎる・・・。

とりあえず、十分悲しんだら次の出会い探そう!

 

サビは高音域をキープしなきゃいけないので、高い声が出せるメンバーが歌ってる感じがしますね。(あと薄くなりそうなところをユニゾンにしたり・・・、工夫を感じます)

俺はこういう鬱曲を聴くためにハロプロ聴いてるみたいなところがあるので、聴いたとき「キタキタw」って感じでガッツポーズしてしまいました。

どうしようもない陰キャです。

 

この曲、ライブでやると会場がお通夜になってしまうので、あまり歌わないそうですが、コロナ禍の今だからこそ、こういう全く盛り上がらない曲も良いんじゃないですかね。

鬱曲は売れないけど、きっと誰かを救ってるはず・・・。

商業主義に負けるな><

平成の破滅型私小説家、西村賢太

この人の小説を初めて読んだのは、大学1年の頃だった。

夏休みに、俺は倉庫で日雇いのアルバイトをしていた。

一日中ダンボールを作っては壊すという、単純な作業に使役していた(今から考えてもなんつうバイトだよ)。

本当は衣服を畳んで箱に詰めるという、労働が任されるはずだったが、俺があまりに不器用なのを見かねた責任者じみた上司が、俺をこの何の意味も感じられない中世の奴隷のような作業に回したのである。

 

そんな時に西村賢太の『苦役列車』を読んだ。

これは俺だと思った。

俺は当時大学生で、西村賢太は中卒だから立場が違う、というのはあったが、俺は高校を中退していて、大学を卒業するまでは実質中卒という身分だったので、主人公に痛く感情移入することができた。

「根がどこまでもスタイリストに出来ている」などの作者独特の言い回しが笑いを誘い、破滅型の私小説でありながら、ユーモラスなエンタメ性を感じさせた。

日雇い労働で生計を立てる主人公・北町貫太の哀しき日常を共感、爆笑しながら読んでいた。

売れてから本当に腕が落ちたな、と思っていたけど、なんだかんだで文庫化されたものは全て買って読んでしまった。

 

そもそも西村賢太は破滅型だったのか、という疑問もある。

俺が思う、いわゆる伝統的な破滅型作家のスタイルは、「小説を書くために私生活を破滅させる」というイメージだが、西村賢太の場合はまず破滅が先にあって、それを小説で描くというスタイルだったと思う(父親が性犯罪を起こして一家離散とか、はなの生い立ちが悲惨)。

破滅が先か小説が先かで言えば、小説が先に来るのが破滅型作家だと思う(その意味で太宰や三島は破滅型)。

西村賢太は社会不適合者の性質は確実にあったが(傷害事件を起こして逮捕されるとか)、それでも売れてからは、少なくとも表面的には安定した生活を送っていたように思う。

小説もどんどん大人しくなっていって、後期は私小説というよりエッセイになっていた。

 

なんにせよ、現代文学では一番好きな作家でした。

もう新作が読めないと思うと、残念です。

ご冥福をお祈りします。

 

個人的西村賢太ランキング

1位 焼却炉行き赤ん坊

2位 苦役列車

3位 暗渠の宿

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カクヨム作成のお知らせ

これから、小説はカクヨムに書いていこうと思います。

こっちでも書くかもしれないし、書かないかもしれません。

暇でしょうがないとき、読んでください。

小説(薮崎葵) - カクヨム (kakuyomu.jp)

小説5『石膏のヴィーナス①』

これから、私が犯した、甘い恍惚の犯罪、その美の記録について記したいと思います。

 

私の名は、雨宮恵三、今年で45歳になる石膏職人です。

美術大学を出てから、ある石膏製造会社に10余年ほど勤め、現在は独立し、小さな工房をやっております。

私が石膏に目覚めたのは、中学生時分に国語の教科書で見た「ミロのヴィーナス」がきっかけです。

しなやかな柳を思わせるその立ち姿、形の良い乳房、悩まし気なくびれなどは、うら若き少年だった私の心を捉えて離しませんでした。

私にとっての美の理想がそこにありました。分けても私が注目したのは、その腕の欠落です。

五重塔がその屋根の不完全さゆえに人を惹き付けるように、ヴィーナスの腕の欠落は、私に、誰にも到達した事のない楽園の存在、ヴァージン・スノウの情景、不完全である事の完全性を顕現させました。

私にとって不完全、未完成、いびつである事は、白雪で光り輝く荘厳な美のエベレストでした。

 

ある日、私のもとに一人の来客がありました。

小説4『星空は砂と化す』

男は空を見上げていた。

夜の空は星が見えるか、雲間から月が顔を覗かせるか、雲が全てを包み込むか、いずれにしても暗色の景色を見せるものだ。

だが、男に見えた景色は一面灰色の景色だった。

それは、男の心の内を表現しているかのようだった。

男には夢らしい夢も、希望らしい希望もなかった。

無限に広がる砂漠の中をさまようようにして、男は生きてきた。

人は一人で生まれ、一人で生き、一人で死ぬ。

それが男の人生観だった。

人と感情や行動を共有する事は、軟弱で愚かな行為に思えた。

男はヘッドホンをつけ、音楽を聴き始めた。

男が聴く音楽はもっぱら、テクノをはじめとする電子音楽だった。

加工された歌声と、整然と打ち込まれた音の数々。

人工的な音の漂流に身を委ねる事は、男をつかの間の安楽へ誘った。

大地に腰を下ろし、どこを見るでもなく、灰色の景色を眺めていた。

「この世をば、我が世とぞ思う望月の、欠けたる事もなしと思えば...。」

男はふと、心に浮かんだ短歌を口に出した。

藤原道長が詠んだその歌は、なぜだかひどく男の心に共鳴するように思えた。

不意に男は、なぜ目の前の景色が灰色に包まれているのかを理解した。

男にとって、それが完全な世界だったのだ。

月や星は砂と化し、雲と交じり合って灰になる。

誰とも交わる事なく生きてきた男が、ずっと心の拠り所にしていた世界。

男は立ち上がり、街へと歩き出した。

灰色の世界が、男の心を満たしていた砂が、男にとっての無限の情愛が、静かに降り注ぎ始めた。

 

個人的なMBTIタイプ別印象

SJ(番人)型

 

ESTJ→鬼上司

ESFJ→仲介者

ISTJ→真面目

ISFJ→善良

 

SP(探検家)型

 

ESTP→兄貴

ESFP→パリピ

ISTP→リアリスト

ISFP→癒し

 

NT(分析家)型

 

ENTJ→ライオン

ENTP→カオス

INTJ→冷徹

INTP→変人

 

NF(外交官)型

 

ENFJ→人気者

ENFP→小悪魔

INFJ→謎のオーラ

INFP→繊細