さわやかな音楽

 

2015年11月のある日、大学から家に帰るバスに乗っているとき、俺の中にある空想が思い浮かんだ。

そこは見渡す限り一面の氷の世界。その中心に一人の少女がいた。少女は凍り付けにされ、硬く冷たい氷の中で体を動かすことはおろか、声を出すことさえ出来ずにいた・・・。

 

この情景を基にした曲を作ろう。原題は「氷の中の君」。タイトルを先に決めてから曲を作るのは初めてだった。

いつも俺の曲のアレンジとミックスをやってくださる方がいて、その方にデモを聴かせたら、「サビ結構ポップだね」と言われたのがちょっと意外だった。ちょっと歌謡曲っぽいかなとは思っていたが、ポップにしたつもりはなかったのでな・・・!

 

曲については、最初、ドラムのシンバルはハイハットじゃなくてライドだった。

基本的に穏やかな曲なので、ハイハットだとうるさく聴こえると思ったからだ。あと、ゴシック・ロックのバンドはあまりハイハットを使わない印象があったからというのもあった。

 

だから歌録りのときは、シンバルがライドになってる状態で歌を録った。

録り終わってから聴いてみると、なんか曲に緊張感が足りないなと思って、後からハイハットに差し替えたのだ。

 

そして、もう一つ録り終わってから気付いたことがある。原題が「氷の中の''君''」なのに、歌詞は全て''貴女''になっている・・・。

まあいいか、と思った(笑)。だって「氷の中の貴女」ってなんか語感悪くない?(笑)

 

↓そんな歌詞はコチラ!!↓

 

凍り付いた 貴女はただ 無音の中 瞳を見開いて

閉じた夜に 拒絶恐れ 妄想へと 逃れた罰

 

完璧だった日常は・・・ 脆くも崩れ去る・・・

残されたのは・・・ 貴女への想いだけ・・・

 

声一つ届かぬ 世界から遠ざかる貴女へ・・・

薄れゆく 貴女の鼓動を 僕はただ見つめるだけで・・・

 

罅割れゆく 朽ちた願い 出口のない 悪夢がまだ・・・

 

どれだけの時間が過ぎただろう・・・ 貴女の氷は溶けないまま・・・

全ては僕のせいだと・・・ 貴女が言っている気がした・・・

 

信じていた永遠は 形を変えて行く 無慈悲に・・・

思い出す あの日の過ち 僕はまだ貴女を今でも・・・

声一つ届かぬ 世界から遠ざかる貴女へ・・・

薄れゆく 貴女の鼓動を 僕はただ見つめるだけで・・・